疾患・特集

食っちゃ寝を続けたら?

まったく運動をしないと、人間の体はどんどん衰えていきます。人間の体力は、20代前半に早々とピークを迎え、衰えていくのを止めることはできません。しかし、衰えるスピードをゆるめることならできます。それが「運動」です。

まったく運動しないと人間はどうなる?

機械が使わなければさびるのと同じように、人間の体も動かさなくては衰えてしまいます。では、どう衰えるのでしょうか。具体的には次のとおりです。

  • ●筋肉が萎縮して硬くなる
  • ●心臓が小さくなる(心容量の減少)→ちょっとしたことで脈拍が上がる
  • ●心肺機能が低下して、最大酸素摂取量が減り、スタミナがなくなる
  • ●立っていられなくなる(起立耐性の低下)
  • ●骨がもろくなる(骨軟化)

これらを証明するのに、興味深い実験があります。
ベッドレスト実験」といって、健康で若い人を3週間ベッドに寝たきりにさせるとどうなるかを調べたものです。その結果、筋肉が衰えるだけでなく、心臓の大きさ、心肺機能まで著しく低下してめまいを起こし、立ちあがることさえできなくなったといいます。

これは極端な例ではありますが、いずれにせよ運動不足が続けば、こうした悲惨な状況に一歩一歩近づいていくのは明らかです。

あなたの歳はウソの歳?

「体力テストをしてみたら、自分の年齢でできるはずのことができない!」
これがいわゆる「体力年齢」というものです。30代なのに体力年齢が40代50代なんて人も多いようです。実際、中高齢者では約半数の人が、体力年齢が実際の年齢よりも高い、つまり年齢以上に体が衰えているという調査結果もあります。

図:体力テストの結果

図は、東京都のある会社でおこなわれた社内体力テストの結果をまとめたものです。中高年齢者4,072人のうち、体力年齢が実年齢より劣っている人が、52.2%にも達しています。

人間の体力は、20代前半に早々とピークを迎え、その後はどんどん衰えていきます。それを、まったく止めることはできません。しかし、衰えるスピードをゆるめることならできます。それが「運動」です。
とくに中高齢者にとって、この運動の効果はかなり期待できるものです。体力で10歳以上も差がつき、生活習慣病にもなりにくくなります。元気に長生きするためにも、運動は欠かせないのです。

「昔から体力には自信があったから」と自分の体力を過信しつづけ、運動をしない人は、ある日自分の体力年齢を知って愕然とすることになるかもしれません。
さて、あなたは大丈夫ですか?