疾患・特集

がんばり過ぎにご用心

暑い夏に思いっきり運動して汗をかくのは、なんともいえない壮快感。
スポーツ後のビールのおいしさ倍増のために運動中に水気を我慢している方や、運動の最中に水を飲むなんて根性なし!と固く信じている方。
夏のがんばり過ぎは、熱射病や日射病に直結の可能性大なのだ。

熱射病って?

高温多湿の中で運動したりすると、時に汗がうまく体外に出ないなどの原因で体温の調節機能が十分にはたらかなくなり、体温が上昇する。
疲労感におそわれ、吐き気や頭痛、めまい、下痢などが起きる。
これがひどくなると意識障害で倒れたり、熱痙攣を起こしたりして、命にかかわることもある
これが熱射病だ。
日射病も症状は同じだが、特に長い間直射日光にあたると起こるものをいう。
日射病の場合、キョーレツな太陽にさらされていると休憩のための時間が必要だ、と注意が向くので、比較的予防しやすい。
一方、熱射病は、直接太陽に照らされていない分、身体を休めるタイミングをはかりかね、ついついがんばり過ぎて…、という具合に引き起こされることも多い。
夏の暑い日のゴルフや風通しの悪い作業場などで倦怠感に襲われたり、気分が悪くなり、立ちくらみのようになったりするのは、日射病や熱射病の前触れといえる。
また、あまり水分を補給せずに激しい運動をすると、汗として水分が身体から出る一方になり、体温調節がうまく機能しなくなって危険である。
特に高齢になるとのどの渇きを感じにくくなるので、水分の補給が遅れがちになる。
すると血液の濃度が濃くドロドロになり、血管がつまりやすく心臓に負担をかけることに…。
上司とのゴルフのときなどは、十分に気配りをしてあげよう!

熱射病の予防と対策

仕事、ゴルフやテニスなどの屋外、室内のスポーツにおいての注意

●前日から節制

夜更かしやアルコールの飲み過ぎは、自覚している以上に体を疲れさせている。
早寝早起きし、朝食をとり、プレー開始。
首筋をガードする工夫も日射病対策になるだろう。

●水分

スポーツ生理学の分野では、「ノドが乾いたときではもう遅い」とさえ言われるほど水分補給は急を要する。
運動中に水を飲むと疲れるという説は20年前のもの。
プレー中も躊躇することなく水分を補給したい。

●休憩

運動中にだるくなったり、立ちくらみを感じたりしたら、すぐに休むことが大切。
涼しい場所に移動して、ベルトをゆるめたりして安静に。
足の付け根や脇の下、首の両脇などを冷たいタオルで冷やすのも効果あり。そして水分を補給する。
汗と一緒に体内の塩分も出ているので、塩分の補給も忘れずに。
ナトリウムやカリウムなどの塩分を体液と同じ濃度で加えているスポーツドリンクや、シンプルに水や麦茶を梅干しや塩などと一緒にとると疲労の回復への早道。
痙攣や意識障害などが起こっているとき、体温が異常に高くなっているときには、すぐ医師に診てもらうこと。

暑い季節のがんばり過ぎは思わぬ危険をはらんでいること、くれぐれもお忘れなく!