疾患・特集

夏なのに風邪をひくのはなぜ?

風邪と言えば冬にひくのが普通。冷たい北風に乾いた空気。
これにさらされる冬こそ風邪のシーズン。
ところがこんなに猛暑の夏でも風邪をひくのはなぜ?
暑さと風邪、ここに何か関係があるのか?

「夏風邪はバカしかひかない」と言われる理由

昔から「夏風邪はバカしかひかない」という言葉をよく耳にする。
この言葉の意味をO社のOL、Sさんは「本来寒い冬にひく風邪を暑い夏にひくなんて、頭のネジが緩んでいるってことでしょ。
私、去年夏風邪をひいたときに、会社の人たちからバカしかひかないって言われてメチャクチャ腹が立ったわ」と言ったが、夏風邪=ネジが緩んでいるというのは果たしてホントなのだろうか?

今は引退されて悠々自適の生活をされている元医師のKさんによれば、昔の夏風邪の原因はお腹の冷えにあったという。
エアコンのない時代、あまりの暑さに体に何も掛けずにお腹を出して寝てしまったり、冷たい物を飲み過ぎたりした結果、体を冷やして風邪をひくことになったという訳だ。
「そういうふうに考えなしに行動してしまう人が風邪をひくので、バカしかひかないと言われるようになったんじゃないかねぇ。」
なるほど。ということは、Sさんの言う「夏風邪=頭のネジが緩んでいる」説は正しいのかも知れない。

昔と今では全然違う!?夏風邪の原因

ところで、最近の夏風邪はオフィスのエアコンが原因になっているようだ。
そう、エアコンによる冷やしすぎが夏風邪のもとっていうわけ。
エアコンで空気も乾燥しているし、さらに外気温と室温の差が激しいので、体に負担がかかり抵抗力もダウン。
昔の原因のようにノンキなものではない。
これで風邪をひかなかったらウソってぐらい劣悪な条件が揃っているのだ。
だからSさんが風邪をひくのもごもっとも。
別に頭のネジが緩んでいる訳ではない。

防護策としてはエアコンの設定温度を上げる。
それが無理ならオフィス用に上着や膝掛けを用意するなど、体温調節できるようにすること。
まさに「エアコンを制した者は夏風邪も制す」なのである。

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