疾患・特集

扇風機 vs 自然風

エアコン全盛時代の今でも、やはり手放せないのが扇風機。
「今年も出番ですよ」と押し入れから引っ張り出したものの、ふと目にとまったスイッチボタンの「1/fゆらぎ(1/fリズム)」の文字。
数年前からお目見えした機能ですが、はてさて、1/fって何?

自然のさまざまなものにある「1/fゆらぎ」

例えば「風」。
自然に吹く風は強くなったり、弱くなったり、絶えずゆらいでいる。
この変化が「ゆらぎ」と呼ばれている。

一方、1/fの“f”は振動数:frequencyの“f”をとったもの。
ここでは風の強弱の変化(ゆらぎ)が1秒間に何回繰り返されるかを表す。
少しややこしい話になるが、「ゆらぎ」と振動数の関係にはいろいろなものがあり、fと全く関係ないもの、fの2乗に関係あるもの、fに関係あるものの3つに分けられるという。
ところが、自然界に存在するものや、人間に関する「ゆらぎ」はf(正確には1/f)に関係するものが多いことが分かってきた。

自然風、太陽光、川のせせらぎ、木目や年輪、人間の心臓の音などがそうである。
不思議なことに、これらに共通して言えるのは、人間が「気持ちいい」、「心地よい」と感じるものが多いということである。
また、「気持ちいい」かどうかは何とも言えないが、人々の売買によって変化する株価や米ドル相場にも「1/fゆらぎ」は存在するらしい。

人工的に作られた「1/fゆらぎ」

なぜ自然界に「1/fゆらぎ」が存在するのか、そのメカニズムについてはまだ明確にされていない。
しかし、「できるだけ自然に近いもの」、「人間にとって気持ちいいもの」ならば生活に是非取り入れよう、と「1/fゆらぎ」を使った製品が登場した。
扇風機はその代表的なものだ。それまでの強弱一定の風と違い、ゆらぎを取り入れて非常に自然に近い、快適な風を吹かせようというもの。
そのほかにも「1/fゆらぎ」を応用したプリント柄(水玉や縞模様)の布地、服や「1/fリズム」を使って作られた音楽などがある。

さてそれでは実験。
これら「1/fゆらぎ」を使った服に身をまとい、扇風機の風を受けながら音楽を聴けば、この不快な梅雨を快適に乗り切れるのだろうか…。
興味のある方は是非お試しあれ。