疾患・特集

風邪でぜんそくが起きる?

アレルギー体質+バリア破壊=発症

気管支ぜんそくには、アレルギー体質と気管支粘膜のバリア破壊という、2つの側面がある。ダニのふんや死がいなどのアレルゲンがIgE抗体・マスト細胞と結合しただけではぜんそくの症状は起こらず、風邪などをひいて気管支粘膜の障害が重なって発症することは多い。

小児ぜんそくは、大人のぜんそくと異なり、症状が消失して治癒したように見えること(寛解)がある。
寛解という状態は、破壊された気管支のバリアが回復することであり、アレルギー体質が治ることではない。
寛解した子どもが風邪をひいたり、たばこの煙を吸って気管支炎を起こして気管支のバリア障害が起きると、ダニなどのアレルゲンが入ってきた時にぜんそくが再発することもある。
発作が起こるとバリアの破壊がさらに進行してアレルゲンの侵入が加速し、重症化するもとになる。

治療の基本はアレルゲンの除去

風邪ウイルスには約200種類あり、このうち特にライノウイルスという鼻風邪ウイルスがぜんそく発作と関連が強い。
風邪を完全に予防することは困難だが、体内に侵入するアレルゲンの量が少なければ、ぜんそくの発作が起きても、症状は軽くてすむ。
ウイルスなどの感染が関係する場合でも、ぜんそく治療の基本はアレルゲンの除去であることに変わりはない。こまめに部屋を掃除するなど、できるだけアレルゲンと接触しない生活を心がけたい。

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