疾患・特集

運動するとぜんそくが起きる人がいる

運動誘発は薬剤で予防できる

運動した時に発生し、30~40分後に自然に治まる発作を「運動誘発性ぜんそく」といいます。非発作時の治療が適切でなく、ぜんそくの管理がきちんとされていない場合に起きやすい症状です。
この場合は、気管支の炎症を抑えて発作が起きないようにする非発作時の治療を適切に行うことに主力を向けます。適切な治療でぜんそくが緩解すると、運動で誘発されることもなくなってきます。

適切な治療をしていても運動するとぜんそくが起きる、あるいは普段は発作がなく運動した時だけぜいぜいいう場合には、運動前に薬剤を使用すると、たいていは予防できます。
特に普段全く発作がない子の場合は、気管支に炎症はないと考えられるので、発作を薬で厳重に予防する必要はありません。
また、トレーニングと十分なウォーミングアップをすることによっても、運動誘発性ぜんそくの予防に効果があります。

トレーニングで発作が次第に消失

普段適切な治療を行っている場合には、運動誘発性ぜんそくがあっても、運動やスポーツを避ける必要は全くありません。
トレーニングをすることにより、一定の運動を行うのに必要な換気量が減少し、より激しい運動をした時にだけぜんそくが起きるようになります。このようにして、ぜんそく症状が出現しないことを目標として運動、スポーツを行うことは、ぜんそくの治療訓練としても非常に効果があります。
自分の好きな運動、スポーツに積極的に参加することはむしろ望ましく、特に水泳はランニングなどに比べ運動誘発性ぜんそくが起こりにくいので、この目的には最適といえます。