疾患・特集

生食いし好で寄生虫が増加中

過去の話ではない寄生虫病

日本では寄生虫病はもう過去の話と思われがちですが、最近は少々違った様相を呈してきています。たしかに、回虫・こう虫・べん虫などの腸管寄生虫は、ほとんど見られなくなりました。
ところが、それに代わって獣肉、鳥肉、魚肉、そのほかは虫類、両生類などの生食いし好により、寄生虫に感染するケースが増加しています。特にゲテモノし好がグルメ呼ばわりされ、感染増加を助長していると考えられます。

少なくない輸入寄生虫病

マムシやヘビによる有線条虫症、ヘビ・カエル・鳥肉の生食によるマンソン裂頭条虫症、クマ肉のルイベによる旋毛虫症、ドジョウの踊り食いによるがく口虫症など、いろいろなケースが報告されています。予防のためには、少なくとも生食を避けることが必要です。
一方で、輸入感染症と呼ばれるものの中には、原因が寄生虫である輸入寄生虫病(持ち込み寄生虫病)も少なくありません。いずれにしても予防接種や感染した場合の適切な処置が求められます。