疾患・特集

薬はどのように排せつされるか

ほとんどの薬は腎臓から排せつされる

薬の排せつの主なルートは、腎臓から尿中へ排せつされるか、胆汁中に出てきて腸管を通ってふん便中に排せつされるかです。ほとんどの薬は、肝臓などで代謝されて、脂肪に溶ける性質が弱められて、腎臓から排せつされます。
腎臓の糸球体では、血液をろ過して尿を作っていますが、血液中の薬も糸球体でろ過されて尿に入ります。水の再吸収とともに、ほとんどが尿細管から再吸収されます。
腎臓から排せつされる場合、高濃度の薬が一度に腎臓に集まると、腎障害を起こすことがあります。逆に、これを利用する薬もあります。尿路感染症などの場合、抗生物質が腎臓や尿路に高濃度に集まれば、殺菌作用がより強力になるからです。

汗、乳汁などからの排せつもある

排せつに関して注意が必要なのは高齢者です。年を取ると、糸球体でのろ過値や腎血流量、尿細管排せつ機能が低下するので、薬が体内で蓄積し副作用が出たりする場合があります。
薬は、呼吸、汗、だ液、乳汁などにも排せつされます。微量ではありますが、授乳中の女性は薬によっては用心が必要です。