疾患・特集

検査会社によって正常値に違いがある

ほとんどは外部の検査会社に委託

検体検査を実際に行っているのは誰だと思いますか? もちろん医師ではありませんし、病院のスタッフでもありません。検査をする場所が病院内の中央検査室などであっても、検査は外部の検査会社に委託するケースがほとんどです。
その際問題になるのは、もちろん第1に精度です。安全性、迅速性なども求められます。ただ、こういう事実があることも覚えておきましょう。同じ検査項目であっても検査をする施設(検査会社)によって、その正常値にはバラツキが見られるのです。

これだけ違うグリコヘモグロビン値の正常値

理由は、検査試薬の種類、方法、分析機器の種類が違うからです。つまり、同じ患者が複数の病院で検査を受けた場合、委託する検査会社が違えば必ずしも同じ検査値が得られるとは限らないわけです。

例えば、糖尿病などの指標になるグリコヘモグロビン値(HbA1)を例に取ってみましょう。
以下に示すのは3種類の検査法による各検査会社の正常値です。BML 5.0~8.0、シオノギ 男5.5~7.3/女5.4~6.9、SRL 5.5~8.0、三菱 4.8~7.5[別の検査法では4.8~6.8]、住友 4.9~7.8、大塚 5.0~6.8(単位はそれぞれ%)。
検査値を読む場合は、こういったことも念頭においておかなくてはなりません。