疾患・特集

食道は丈夫な筋肉の管

輪状の筋と縦方向の筋のぜん動運動で食物を押し下げる

食道は長さ約25cm、左右径約2cmの丈夫な筋肉の管です。口から入った食物や液体を胃に送り届ける運搬路の役割を持っています。食物が通過している時は膨らみますが、空っぽの時は閉鎖されて平たくなっています。
食道の壁には、胃や腸などの消化管と同じように食物を圧縮する筋肉の層があります。このうち輪状になった層(輪状筋)が収縮すると食道が狭くなり、縦方向の層(縦走筋)が収縮すると壁の一部が短くなります。
これが、ぜん動運動です。ぜん動運動は自律神経系によりコントロールされており、その速度は2~3cm/秒です。

液体は約1~6秒、固形物は約30~60秒で食道を通過する

食物が食道入口部に入ると輪状筋がぜん動運動を始め、その波動が胃の方向に寄せていって食物を押し下げます。食道の下部は、食物が通過した後胃から逆流しないような仕組みになっています。
食道を通過するのに要する時間は液体で約1~6秒、唾液とよく混ぜ合わされた固形物で約30~60秒です。