疾患・特集

カテコラミン、コルチゾールをもっと知りたい人に (1)

あなたの中にある、2つの刺激伝達経路

ストレッサーの刺激は、まず大脳皮質で知覚され、視床下部に伝えられた後、次の2つの経路に分かれます。

  1. 大脳皮質-視床下部-交感神経-副腎髄質→カテコラミン分泌
  2. 大脳皮質-視床下部-下垂体-副腎皮質→コルチゾール分泌

この、カテコラミンとコルチゾールが、さまざまなストレス反応のきっかけとなる重要な物質なのです。

カテコラミンは緊急のストレス反応の主役

カテコラミンはアドレナリン、ノルアドレナリン、ドーパミンといった物質の総称で副腎髄質や交感神経、脳細胞から分泌されることが知られています。交感神経や副腎髄質から分泌されるカテコラミンは、このうちのアドレナリンとノルアドレナリンです。
これらは、胸の高鳴りや血圧上昇、発汗、血糖上昇、覚せい、血液凝固系の高進などの変化をもたらします。
心臓や脳、筋肉への酸素やエネルギー供給を増加させたり、けがをした場合に出血を最小限にとどめるために適した変化で、これはもともとは敵や獲物に出会った瞬間にすばやく戦闘(もしくは逃避)態勢をとるために備わっている急性の反応(emergency reaction)なのです。カテコラミンは、このために闘争ホルモンとも呼ばれます。