ストレス耐性を決定する諸要素(情動、認知、社会的支持、対処行動 )の特徴を詳しく調べれば、ストレス耐性を知ることができるわけです。
これらの要素を検討するためには、厳密には性格、育った環境、親との関係、教育レベル、対人関係や生活環境、職種などを調べなくてはなりませんが、これは複雑な心理テストや膨大な質問項目による調査を必要とします。これでは、あまりに実用的ではありません。
そこで、簡便なストレス耐性チェックリストが色々考案されています。
表1はその一つで、冷静さ、陽気さ、 積極性といった性格から、人とのつきあい方や物事の考え方などを20項目でチェックできるようになっています。
このほかに、表2のような生活健康調査表で、いらだち度、対処行動から行動、心理、身体にどれくらいストレス反応が表れているかを調べる方法などがあります。
各質問であてはまるレベルを選び、20問の数値を合計してください。
めったにない | たまに | しばしば | いつも | ||
---|---|---|---|---|---|
1 | 冷静な判断ができる | 1 | 2 | 3 | 4 |
2 | 陽気である | 1 | 2 | 3 | 4 |
3 | 自分の考えを表現する | 1 | 2 | 3 | 4 |
4 | 喜びにあふれている | 1 | 2 | 3 | 4 |
5 | 他人の喜びを重視する | 4 | 3 | 2 | 1 |
6 | ポジティブシンキングをする | 1 | 2 | 3 | 4 |
7 | 他人をねたむ | 4 | 3 | 2 | 1 |
8 | 行動的だ | 1 | 2 | 3 | 4 |
9 | 他人を非難する | 4 | 3 | 2 | 1 |
10 | 他人のいいところを見つける | 1 | 2 | 3 | 4 |
11 | 柔軟性がある | 1 | 2 | 3 | 4 |
12 | 手紙にすぐ返事を書く | 1 | 2 | 3 | 4 |
13 | 気さくだ | 1 | 2 | 3 | 4 |
14 | 真実に立ち向かう | 1 | 2 | 3 | 4 |
15 | 思慮深い | 1 | 2 | 3 | 4 |
16 | ものごとに感謝する | 1 | 2 | 3 | 4 |
17 | 多くの友達がいる | 1 | 2 | 3 | 4 |
18 | 家庭不和 | 4 | 3 | 2 | 1 |
19 | 仕事がきつい | 4 | 3 | 2 | 1 |
20 | 趣味を持っている | 1 | 2 | 3 | 4 |
40点以下:ストレス耐性が低い
50点以上:ストレス耐性が高い
(桂 1988)
1) | ライフイベント尺度 | 大きな生活上の変化 |
---|---|---|
現代のストレス度 | 現在感じているストレス度 | |
いらだち事尺度 | 日常感じているいらだち事 | |
2) | ストレス対処行動 | ストレスがかかった時の対処行動 |
3) | 社会的支持 | ソーシャルサポートとなる対人関係 |
4) | 行動反応 | 食行動、生活行動様式 |
心理反応 | 心理的症状 | |
身体反応 | 身体的症状 |
出典:「心身医」1996年8月