疾患・特集

動脈硬化とストレス

血液がさらさらと流れない!

ストレス関連疾患には上げられていませんが、動脈硬化も慢性ストレスによって発症頻度が高くなることが指摘される疾患です。
ストレスによって交感神経が興奮すると血小板機能が活性化します。これは本来は血液を凝固しやすくして出血を抑えようとする反応です。このような血液の粘度が高い状態が慢性的になると血管壁への刺激が強くなり、それが動脈硬化の発症のきっかけの一つとなると考えられています。
また、ストレスによる活性酸素の影響や、それに対する防御物資のストレスたんぱく質(熱ショックたんぱく質;Heat Shock Protein:HSP)が過剰になり、かえって動脈硬化の誘因になるという指摘もあります。

虚血・再潅流に対抗するストレスたんぱく質

活性酸素は強力な酸化物質で、細胞の老化を早め、遺伝子を傷付けます。
紫外線や化学物質、熱傷などで活性酸素が生まれることが知られていますが、最近では精神的なストレスでも活性酸素が生じていることが分かってきました。
また、動脈硬化が進んだ細い血管が血栓などによって一度つまり、その後で再び血液が流れ出す虚血・再かん流という状態の時にも活性酸素が生まれやすいのです。 こうした刺激を受けると、細胞はストレスたんぱく質を作り出して活性酸素に対抗しようとするのです。