疾患・特集

アルコール依存症の行動療法

患者自身が分析する行動療法

行動療法とは学習理論に基づいた治療法のことを言います。患者はアルコール依存症における飲酒行動という不適応行動を、学習して修得してしまったと考えます。
その不適応行動をさせているのは何かということを、患者自身が学習して分析、検討します。そして、その行動を学習して修正していくというものです。ですから、行動療法は必ずしも病気の原因を取り除くことや、処理を目的とする訳ではありません。

治療を成功させるにはその意欲が大切

治療はまず自分がアルコール依存症であり、断酒が必要であることを認識することから始まります。
そして、離脱期の精神症状がなくなるまで、担当医と一緒にアルコール依存症などについて勉強します。そして、精神症状がなくなったら行動療法が始まります。
行動療法を始めるに当たり、自分と配偶者などの家族で最終的な目的である断酒に達成するための具体的な治療方針を決めます。それに基づき毎日行動することになります。
また、治療初期には抗酒薬を使って、アルコールを飲むと苦しくなることも体験して学習していきます。さらに、行動チェックリストを作り、毎日自分の行動を自分自身でチェックします。
この行動療法が成功するためには、アルコール依存症の患者自身の治療意欲がおう盛であることが大切です。社会復帰に対する意気込みが、治療経過に良い影響を与えるようです。