疾患・特集

アルコールとビタミン不足

ビタミン代謝に異常を来すアルコール

近ごろでは過剰栄養が問題となっていて、ビタミン不足もなくなったように思われがちです。ところが、アルコールによるビタミン不足は、現在でも大きな問題です。

健康な人ではビール中瓶1本、日本酒なら1合、ウイスキーならダブルで1杯くらいなら影響はないと考えられています。しかし、たくさんのお酒を飲むとビタミン代謝にさまざまな異常が起こります。
これは、食事からのビタミン摂取不足や、腸からの吸収障害が主な原因として考えられています。また、アルコールを代謝するためにビタミンが使われるため、必要なビタミンの量も増えることも問題です。

ビタミン不足によるさまざまな障害

代表的なものを幾つか上げますと、アルコール性肝硬変では血液中のビタミンAが低下します。ビタミンA不足になると、疲れやすくなったり、眠れなかったり、食欲がなくなったりします。
そして、アルコールによるビタミンB1欠乏では脚気や、意識までおかしくなるウェルニッケ型脳炎が起こります。さらに、ビタミンB6、葉酸、ビタミンB12の欠乏では貧血を起こします。
なお、どのくらい飲んだらビタミン欠乏が起こるのかは、まだ分かっていません。