疾患・特集

アルコールと栄養障害

食事を取らないアルコール依存症の人

アルコールをたくさん飲むと、さまざまな栄養障害が起こります。小腸では胃から送られてきた栄養素を体内に吸収します。ところが、アルコールによって小腸の粘膜が荒れていたりすると、十分な栄養素が吸収されなくなります。
ところで、アルコール依存症の人ではしばしば栄養障害がみられます。これは、アルコールばかり飲んでいて食事を取らないためと考えられます。十分な栄養素を取っていないのに、アルコールは代謝しなければなりません。ですから、エネルギー不足やビタミン不足になってしまいます。

栄養障害と肝障害の関係

また、アルコールによって肝障害が起こっていることも、原因であるといえます。肝臓はたくさんの重要なはたらきをしています。胃腸から吸収された食べ物から、たんぱく質、脂肪、糖質など栄養素の合成を行っています。この外にも、肝臓は胆汁の生産も行っています。
ですから、肝臓を悪くすると当然栄養障害が起こります。そして、アルコールの慢性摂取がもたらす栄養障害は、さらに肝障害を悪化させる可能性があります。