疾患・特集

お酒のJカーブ(適量が良い)

適量の飲酒は心臓血管疾患のリスクが低い

米国保健科学協議会(ACSH)が、各国の医療関係者が発表した研究報告をまとめて分析しました。すると、1日に日本酒に換算して1、2合程度のお酒を飲む人が、最も心臓血管疾患のリスクが低いという結果が出ました。これには人種や性別、地域条件を越えた共通性が見られます。
そして、病気だけでなく事故や事件を含めたあらゆる原因による死亡率(全死亡率)と1日の飲酒量をグラフにするとJ型のカーブになります。このことから「Jカーブ効果」といわれます。

日本人の適量は少ない

ところが、日本人の場合、約半数はアセトアルデヒド脱水素酵素が遺伝的に欠損しているため、アルコールに弱いといわれています。ですから、外国人と同じ量のアルコールでは、日本人にとっては反対に害になる可能性があります。
そのため、日本人にとって心臓血管疾患のリスクが低くなるお酒の適量は、外国人よりも少ない量と考える方が良いでしょう。さらに、アルコールの許容量は個人差がありますし、アルコール依存症や薬物乱用者など、適量という概念が当てはまらない人もいます。
なお、このJカーブ効果はもともと飲まない人に飲酒を進めるものではなく、大量飲酒の人に適量を勧めるものです。