疾患・特集

アルコールと高血圧

少量でも高血圧の割合が高い

酒を飲むと血圧が上がることは、以前から知られていました。さらに、アルコールは高血圧だけでなく循環器疾患やその危険因子に対しても、いろいろな影響を与えることが分かってきました。

福岡県久山町で40歳以上の一般住民を対象にした調査を行いました。すると、日本酒1合未満の少量飲酒者でも全くお酒を飲まない人に比べると、高血圧の割合が高いことが分かりました。その上、正常血圧の人でも10年間のうち、少しでもお酒を飲み続けている人は飲んでいない人よりも、高血圧になりやすいことも分かりました。
ですから、日本人の場合、1日1合未満の少量のお酒でも、血圧が上昇する可能性が高いようです。どうして、アルコールが血圧を上げるかについては、いろいろ研究されていますが、まだよく分かっていません。

適量のお酒は動脈硬化の予

一方、適量のお酒は動脈防硬化の予防にはたらくと考えられています。アメリカでは高血圧治療をしていても、日本酒1合に相当するくらいのアルコールならば飲んでもいいといわれています。しかし、アルコールに関しては人種差も大きく、日本人の高血圧の人に対するアルコールの制限は、厳しく行う必要があるようです。