疾患・特集

たばこについてのQ&A(2)/禁煙の効果とその問題

禁煙の効果

Q.長年たばこを吸ってきましたが、今からやめても果たして間に合うでしょうか?

A.もちろん間に合います。禁煙するのに遅過ぎるということはありません。
たばこをやめると、その禁煙年数に比例して、肺がんや心筋梗塞などにかかる危険は少なくなり、たばこを吸わない人に近づいていきます。
50歳までに禁煙したとすれば、その後15年間に死亡する確率は半減します。
禁煙の効果は、高齢になって禁煙した場合にも見られます。また、喫煙関連疾患の症状が現れてからでも、禁煙によってその予後は改善します。

Q.たばこをやめたらどんな効果がありますか?

A.禁煙してすぐ現れる効果としては、せきやたんが止まる、目覚めがさわやかになる、味覚や嗅覚が戻り、食べ物がおいしくなる、肩凝りがなくなる、人に不快感を与えなくてすむ、たばこやライターなどの持ち物が少なくてすむ、小遣いが減らなくてすむ、火事の心配をしなくてすむ、仕事や家庭でも自信がつき、人生観が変わってくるなどがあります。
その上、禁煙して期間が経つにつれて、肺がんや心筋梗塞などにかかる危険が減少していきます。

禁煙に伴う問題

Q.禁煙後に現れる離脱症状のことが心配です。どのような症状が出るのでしょうか?

A.たばこが吸いたい、イライラ、落ち着かない、不安、集中困難、軽い頭痛、けん怠感、不眠、便秘などが、よく見られる症状です。しかし、これらの症状の全てが出現するわけではありませんし、その程度は人によってさまざまです。
これらの症状は、禁煙を始めて最初の3~4日間に最も強く現れますが、1週間もすれば症状は軽くなり、2~3週間で消失します。
これらの症状を健康回復のサインと考えれば、例え症状が強くても、打ち勝つことができます。

Q.禁煙すると、体重が増えるのではないかと心配しています。太っても、禁煙する方が良いのでしょうか?

A.禁煙すると体重が増える人がいますが、禁煙をしたすべての人に体重増加が見られるわけではありません。体重が増える人でもふつう2~4kg位です。
体重増加の理由は、禁煙により味覚が戻り、胃の調子が良くなって食欲が出ること、口寂しいのでつい食物を口にしてしまうこと、ニコチンによる代謝の高進作用が無くなることなどです。
喫煙による健康への危険は、2~4kg程度の体重増加によるものに比べてはるかに大きいものです。禁煙のメリットは体重増加のデメリットをはるかに上回ることがお分かりでしょう。 禁煙と同時にダイエットを始めるべきではありません。まず禁煙を達成し、禁煙が安定してから肥満対策を実行しましょう。