疾患・特集

絶対にたばこを吸ってはいけない病気

高血圧、狭心症、心筋梗塞

喫煙による急性の影響として、血圧の上昇と心拍数の増加があげられます。血管の内皮が障害を受け、血小板凝集能が高まり、アテローム硬化が進む作用もあります。
国内のある地域で20年間調査を続けた結果では、喫煙が心筋梗塞の大きな危険因子であることが示されています。
特に収縮期性高血圧と組み合わさった場合には、1日に10本以上吸う人の心筋梗塞のリスクは、血圧が正常値で1日の喫煙が10本未満の人の約19倍という結果でした。

日本をむしばむ糖尿病も危ない

また、日本人を静かに脅かしつつある病気に糖尿病があります。「糖尿列島」などといわれるほどで、予備軍も含めると1370万人といわれています。
すい臓からも分泌されるインシュリンが不足するために起こる病気ですが、怖いのは糖尿病自体よりも、網膜症、腎症などの合併症や、心筋梗塞などが起こりやすくなるという点です。糖尿病性網膜症は、眼底の網膜に血管障害が起こったものですが、これと喫煙との関連についての結論は不一致ながら、調査によっては網膜症の頻度が喫煙者は非喫煙者の約4倍という結果も出ています。
細小血管障害だけでなく、喫煙によって血中のニコチン濃度が上がり、アドレナリンが分泌されて血糖が上昇する可能性もあり、すべての調査が糖尿病に対してたばこを吸う糖尿病患者の健康に悪影響があるという点では共通の認識があるようです。