疾患・特集

食品の残留農薬

残留農薬はセロリ、パセリ、アオジソ、イチゴなどに多い

食卓にのぼる化学物質の中で最も危険なものに「農薬」があります。
アメリカ科学アカデミーでは、トマトやジャガイモなどによく使われる除草剤、殺菌剤、殺虫剤によって、がんになるアメリカ人は今後70年間で最大145 万人に達するという警告も出しています。
日本で農薬が広く使われるようになったのは戦後のことですが、現在では有効成分で約380 種類、製品で5500種類あるとされています。
農薬は、市販の野菜や果物からよく検出されますが、東京都衛生研究所や横浜市衛生研究所の調査では、野菜ではセロリ、パセリ、アオジソなどから、果物ではイチゴから多く見つかっています。

水洗いによる除去率とポストハーベスト

水洗いによる残留農薬の除去率は、農薬の種類によってかなり差があり、100%除去できるものもあれば、ほとんど除去できないものもあります。同じ農薬の場合、野菜よりも果物、なかでもブドウ、イチゴの除去率が低いことが分かっています。
近年問題になっているのは、収穫後の農薬の使用であるポストハーベストで、厚生労働省ではこれも含めて161種類の農薬に対して新しい残留基準を定めています。
また、日本茶を除く茶葉の残留農薬についても1991年(平成3年)まで野放し状態でしたが、翌92年から紅茶、ウーロン茶などの健康茶にも基準を新設し、残留農薬許容基準の大幅な見直しを行いました。