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食物繊維を取り過ぎると栄養の吸収が阻害されることも?

微量栄養素の吸収率低下

昔から食物繊維の取り過ぎは有害だと考えられてきました。現在もさまざまな議論が行われていますが、次のようなマイナス効果も考えられます。

食物繊維は栄養素を吸着し、吸収を阻害します。そのため、食物繊維の過剰摂取は微量栄養素の無機質やビタミンの吸収率を低下させます。
特に、鉄・銅・亜鉛などは影響を受けやすく、実際に全粒穀物を食べている中近東地域の人には亜鉛欠乏症が報告されています。
大人の場合は極端に過度の食物繊維摂取をしない限り問題はありません。
ただ、幼児や成長期の子供あるいは高齢者で、もともとの鉄・カルシウム・亜鉛などの無機質の摂取が少ないにもかかわらず食物繊維の摂取が多い場合は注意が必要です。

栄養素の消化率低下

食物繊維は栄養素の消化率を低下させることが知られています。食物繊維を多量に摂取すると、脂質やたんぱく質が便中に多く排出されてしまうわけです。
消化率の低下といえどもそのエネルギーの損失はわずかなので、普通の食生活では問題はありませんが、エネルギー摂取量が極端に少ない場合は問題です。