疾患・特集

食物繊維の効果3 ~血糖上昇の抑制~

SDFの高い粘ちゅう性が結果的に血糖の上昇を抑える

SDF(水溶性食物繊維)である、ペクチンやグアーガムなどを多く含む食事を摂取すると、その後の血糖の上昇が抑制されます。また同時にインシュリンの分泌も抑えられます。
動物実験では、SDFを投与すると胃から十二指腸への食物の移動速度、でんぷんの分解速度および、グルコースの吸収速度が低下することが認められました。
SDFの持つ高い粘ちゅう性によって加水分解酵素とでんぷんの接触が妨げられ、でんぷんの分解速度が遅くなるとともに、分解により生じたグルコースの拡散が低下します。このため小腸上皮細胞でのグルコースの吸収が遅くなり、血糖の上昇が抑えられるというわけです。

糖尿病の食事療法に好適

糖尿病患者の場合、血糖の上昇が抑制されるのが理想的なので、食物繊維によるこの効果は、食事による血糖の管理上とても大切なこととなります。
同じカロリーの食品を取っても、食物繊維を多く含んでいれば、糖の吸収が抑えられるので好都合です。
例えば100kcalのスパゲティとパンを食べた場合、SDFの多い前者の方が血糖の上がり方は低いのです。
各食品について、食後血糖値の上昇の程度を見た研究もあります。
「グリセミック・インデックス」と呼ばれ、糖尿病の栄養指導に使われています。