疾患・特集

ビタミンB1欠乏の兆候と欠乏症

脚気とウェルニッケ脳症

ビタミンB1は糖質の代謝に不可欠のビタミンですが、体内で合成されるので最も不足しやすいビタミンの一つです。不足すると食欲がなくなり、イライラや疲れがたまりやすくなります。

ビタミンB1の欠乏症には、脚気とウェルニッケ脳症があります。
脚気の症状は全身けん怠、心き高進、心臓肥大、浮しゅ、血圧の低下、四肢の知覚異常、けん反射消失、知覚まひなどで、心臓と末しょう神経の疾患といえます。
ウェルニッケ脳症は、主として中枢神経が侵される疾患で、眼球運動まひ、歩行運動失調、意識障害を伴いますが、慢性化するとコルサコフ症という精神疾患に移行します。これはアルコールの摂取量の多い人に多発し、アルコール依存症との関係が注目されています。
なお、乳児の場合、脚気になると食欲不振、おう吐、チアノーゼなどが起こり、治療が遅れると24時間以内に死亡することもあるので注意が必要です。