疾患・特集

早食いは過食の元

血糖値の役割

「お腹が空いた」「お腹がいっぱい」という感覚は、脳の視床下部にある摂食中枢と満腹中枢が刺激されて起こります。その刺激の元になるのが、血糖値です。
血糖値が下がると、摂食中枢がはたらき、「お腹が空いた」という感情が起き、「食べなさい」という指令が出ます。
逆に食事を取って血糖値が上がると、今度は満腹中枢が刺激されて「お腹がいっぱい」となって、「食べるのはおしまい」という合図が出されるのです。

早食いはなぜいけないか

血糖値がピークに達するのは、食べ始めてから15~20分後です。ところが、早食いの人は、食べ始めてから5分もしないうちに、食べ終わってしまいます。
これでは血糖値がピークに達して、満腹中枢が刺激される前に食べてしまうことになり、本当は満腹になっているのに満腹感が持てません。そのため、つい過食になり、肥満の原因になります。
また、かむということは、色々な消化器官に「これから食べ物を送り込むから用意してくれ」と合図をするようなはたらきもあります。その合図なしにいきなり食べ物が送り込まれると、胃はびっくりしてしまいます。
胃腸の弱い人に共通しているのが早食いという調査結果もあるほどです。よくかんで、ゆっくり味わいながら食事を取ることが肝心です。