心拍数と寿命の関係については、名古屋大学医学部第一内科の林博史氏が面白い論文を発表しています。
それによると、人間の一生の心拍数は安静時で15億(拍)、活動を考慮すると20~23億(拍)といわれています。哺乳類では動物の種類によらず一生の心拍数はおよそ一定です。心拍数と寿命の間に成り立つ数式を簡略化すると、
寿命(分)=20~23億(拍)÷1分当たりの心拍数
となり、寿命は心拍数に反比例することが分かっています。
これを人間の心拍に当てはめると、1分当たりの心拍数が90拍だと寿命は約45年、同50拍だと約75年になります。
つまり、1分間の心拍数が速い人ほど寿命が短いというわけです。
また、寿命に関する疫学調査でも、中年男女が75歳まで生き抜くのに関係の深い因子の検討が行われ、男性の場合は、心拍数、1日の喫煙本数、収縮期血圧、肺活量が寿命を左右するのに重要な因子であることが分かりました。
一方、女性の場合は、心拍数の代わりに長寿の両親に恵まれることが必要であるとの結果が出ましたが、その理由は分かっていません。
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