疾患・特集

生活習慣病とは?

平成8年の具申により「成人病」から「生活習慣病」へ

1996年(平成8年)、厚生大臣の諮問機関である公衆衛生審議会「成人病難病対策部会」は、従来の「成人病」に代わる名称として「生活習慣病」を導入することを具申しました。これにより「成人病」から「生活習慣病」へと名称変更が決定されました。
この背景には、これまでの成人病対策が期待どおりにいかなかったという問題があります。

習慣の改善によって病気の予防や治療を行う

もともと「成人病」という名称は医学用語ではなく、脳卒中や心臓病などの予防対策を行うにあたって厚生労働省が便宜的につくった行政的な用語です。
これに対し、日野原重明氏(財団法人聖ルカ・ライフサイエンス研究所理事長)は「大人の慢性病は、ある日突然病気になるのではなく、若いころからの日常生活のあり方やよくない習慣を繰り返すなかで病気の根がだんだん広がっていき、ある年齢に達すると症状が出てくることが多い」ということに着目し、1977年から「習慣病」という名称を提唱してきました。
このような意見が取り入れられて「生活習慣病」という新しい呼び方が誕生したわけです。
この名称に変更することで「習慣の改善によって病気の予防や治療を行う」という考え方が広がっていくことが期待されています。

「生活習慣病」に相当する欧米の言葉

米国 「chronic disease」(慢性疾患)
イギリス 「life-style related disease 」(生活習慣病)
「chronic degenerative disease 」(慢性退行性疾患)
フランス 「maladie de comportement 」(生活習慣病)
ドイツ 「Zivilisationskrankheit 」(文明病)